【コラム】
沖縄産の野菜、ゴーヤー。独特の苦味のあるこの野菜を、ことさら苦い思いで味わったことがあります。
二十数年前、ウインドサーフィンの大会で沖縄へ行ったときのこと。レースは惨敗でした。夜、居酒屋で食べたゴーヤーチャンプルー(いためもの)の苦かったこと。負けた悔しさが重なります。「この味を忘れずに強くなろう」と自分の言い聞かせ、帰ってきました。
ゴーヤーは当時、新潟ではめったに見ることはできませんでしたが、健康ブームの中、価値が見直され、近年は日本中、どこでも手に入るようになりました。
「店でも作ってみよう。でもあの苦さがお客さんに受け入れてもらえるのか?苦さを和らげるには?」
いろいろ試してみて採用した調理法は、まずゴーヤーの種の入った柔らかい部分を取り除き、約三ミリ幅に切り、油で十分いためます。その後、ほかの具を加え卵とじにすると、普通の人でも十分おいしく食べられます。
ゴーヤーを食べるたびに沖縄の海の青さと、レースで敗れた苦い思い出が、よみがえります。
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